An Other Sekaisen

『An Other Sekaisen』(アナザ・セカイセン)は、taberusanによる3枚目のアルバム。

2020年12月29日にリリースされた。

 

背景とリリース


前作『生命線と創造力』から約1年ぶりのアルバム。

前作のテーマにそぐわなかったことから収録を見送った曲が幾つかあり、前作の制作時期よりそれらを軸としたアルバム制作構想があった。

2021年頭から、それまでの倍のペースで楽曲制作を行い半年後には新曲だけでアルバム一枚分が出揃うこととなり、初期案では前作同様に活動初期楽曲のリメイクも含んだアルバムとする予定であったが、結果的に2019年以降に制作した楽曲群のみが収録された。

アレンジや録音も年頭から段階的に進めており、アルバムリリース前に4作の配信シングルと『閃光放つ円盤 – EP』を先行リリースしている。

本作はこれまでの作品と比較してもよりパーソナルな面を出していたこともあり、誕生日である12月29日にリリースする。

 

アレンジは前作も担当したイシワタユウイチ・島田アキヒロの2名がほぼ半々で担当している。

セルフアレンジ楽曲は大幅に減り『Passage』のみとなる。

 

 

プロモーション


当初は12月29日に配信と通販を同時に開始する予定であったが、12月11日に渋谷TAKE OFF7で行われたアレンジャー島田アキヒロ主催イベントにて、急遽先行販売を行う。

リリースから2か月後の2022年2月11日にレコ発企画となる『TABERU EXPO’22 ~Daydreamer~』を開催。

告知段階ではtaberusan(弾き語り) × tabelilika(ユニット) × taberusans(バンド形態)によるイベントであったが、コロナ禍の影響でtaberusan(弾き語り) × tabelilika(ユニット)での開催となる。

半年後の10月8日に開催した『TABERU EXPO’22-2 ~OVER GROUND~』によって念願のtaberusansとしての出演を果たすが、このイベントにおいてはアルバムのレコ発という位置づけではなく開催された。

 

なお、アルバムリリースとレコ発イベント告知を含めたポスターがtaberusanが当時出演していたライブハウスやスタジオに掲示された。

 

 

収録内容


全作詞・作曲: taberusan

 #  タイトル  編曲  ミックス  時間
   1. 「Yet」  イシワタユウイチ  イシワタユウイチ  3:43
   2.

「群青(album mix)

 イシワタユウイチ  イシワタユウイチ  3:48
   3. 「イレパラブル」  島田アキヒロ  島田アキヒロ  4:02
   4. 「ロンリープラネット(album mix)」  島田アキヒロ  島田アキヒロ  4:39
   5. 「勿忘」  島田アキヒロ  島田アキヒロ  2:21
   6. 「Passage」  taberusan  イシワタユウイチ  4:49
   7. 「クロノ・トリガー」  イシワタユウイチ  イシワタユウイチ  4:11
   8. 「最愛の人へ」  島田アキヒロ  島田アキヒロ  5:28
   9.

「Brotherhood

 島田アキヒロ  島田アキヒロ  4:21
 10. 「FINAL FANTASY」  島田アキヒロ  島田アキヒロ  4:27
 11. 「チェリー(album mix)」  イシワタユウイチ  イシワタユウイチ  3:39
 12.  「Daydreamer」  イシワタユウイチ   イシワタユウイチ   4:04

 

 

楽曲解説


 1. Yet

    • アルバムリリースによって初めて発表された楽曲であり、本アルバムのリード曲。
    • リリースに先駆けて公開された告知トレーラーでサビのみが解禁される。
    • 本作収録曲の中では一番最後に完成した曲であり、リハのためスタジオへ向かう道中でメロディが浮かび、そのままスタジオで形となった。

 2. 群青

    • 7th配信シングル。
    • 楽曲のイメージや一部のメロディはかなり前からあり、2020年夏にはワンコーラスだけ完成してライブでも披露されていた。
    • 音源制作にあたってはギターフレーズ案も含めたデモを提示した上でイシワタユウイチにアレンジ依頼を行った。

 3. イレパラブル

    • 仮タイトルは「サイコパス」。
    • アルバムの先行シングルとなる『閃光放つ円盤 – EP』表題曲。
    • 米津玄師を意識しつつ作られた。弾き語りライブでの演奏機会も多く、バンドアレンジにしたものも2024年のTABERU EXPOで披露している。
    • バンダイナムコ主催のコンテストに本楽曲でエントリーするが何ら反応は得られなかった。

 4. ロンリープラネット

    • 6th配信シングル。
    • アルバムリリース後のライブ披露機会が少ないながら配信シングル再生数としては2024年2月末集計時点までは最多再生数を誇っていた。(現在は「クロノ・トリガー」に抜かれる。)
    • 自身が崇拝するMr.Childrenと大森靖子がともに2020年末にリリースしたアルバムに「プラネット」という単語の含まれた楽曲が収録されていたというそれだけの理由で「ロンリープラネット」というタイトルありきで2021年早々に作られた。
    • 先行リリースした『閃光放つ円盤 – EP』では配信シングルからアレンジを加えたバージョンを収録しており、アルバムはさらにリミックスを加えたバージョンが収録されている。

 5. 勿忘

    • Awesome City Clubがほぼ同時期に同名曲を発表しているが、全くの偶然である。ちなみに歌メロの一部はチューリップ(TULIP)を意識して作られている。

 6. Passage

    • 本アルバム収録曲で唯一のセルフアレンジ曲。セルフアレンジ曲の中ではこれまで手掛けてきたものと比べて格段に自身のある仕上がりと自負しており、ライブも弾き語りではなくオケで披露することが多い。
    • 2020年のお盆時期に大学のサークル仲間とオンライン飲みをした際に、当時のことを歌にしたいなと思い制作に着手する。タイトルの「Passage」とは大学時代に住んでいたアパートの名前であり、正しい読み方は「パッセージ」のようだが「パッサージュ」と呼んでいたため曲名もそれに倣う。前作リリース前にはライブで披露していたもののテーマとしては本作への収録が相応しいと判断する。歌詞の後半に「世界線」という言葉も出てきており、ある種アルバムのリード曲的な側面もあると感じている。

 7. クロノ・トリガー

    • 4th配信シングル。
    • 本作収録曲の中では最も早い2019年夏に制作されており(『性』『LIVE A LIVE』とほぼ同時期)、スクウェアのゲームタイトルを付したスクウェア四部作の一つ。
    • ライブ活動再開に際し、初期衝動でもある大森靖子のライブを彼女を初めて観た長野の地で観て、その感情を曲にしたいと思い立ち実行する。結果としてライブ再開以降で自身を代表する曲となり、配信再生数は現時点で全曲中トップを誇る。

 8. 最愛の人へ

    • ウタカタリクラゲの企画した配信企画のタイトルにちなんで制作される。同企画にて初披露。
    • アルバムリリース後はライブ未演奏となっている。

 9. Brotherhood

    • 今は離れた場所で活動するアーティスト仲間に向けて作った曲ではあるが、ライブ演奏していく中で特定の誰かに対してという意味合いは薄れた。
    • 2番Aメロ後のアコギソロは自身でアレンジ・演奏しているが、このソロパートはGLAYの「a Boy〜ずっと忘れない〜」に着想を得ている。

10. FINAL FANTASY

    • アルバムリリースに先行してミュージック・ビデオが公開された。楽曲としては前作リリース直後に作られ、2020年末から頻繁にライブでも演奏された。
    • 当然ながらスクウェア四部作の一つであり、かつサビメロは同ゲームのメインテーマにインスパイアされたものとなっている。(他の曲はゲームとの関連性はない。)
    • 『クロノ・トリガー』同様にtaberusanの代表曲となっており、ミュージック・ビデオ、サブスクともに再生数は群を抜いている。

11. チェリー

    • 5th配信シングル。
    • コロナ禍で開催延期(現在も未開催)となった東新宿LOVE TKOでの初企画「ホームルーム」の主題歌。
    • 前作がリリースされる以前の2020年春頃に既に作られライブ披露もしていたが、時期感を重要な曲であり桜の開花時期にリリース・プロモーションを行いたいという意向から1年の間を空けた2021年の3月末にリリースする。プロモーションではTwitterのフォロワーから桜の写真を募集し、それらをスライドショー形式にしたリリックビデオを公開した。

12. Daydreamer

    • 『Yet』同様、アルバムリリースによって初解禁となった楽曲。
    • レコ発企画である「TABERU EXPO’22」のサブタイトルとなっている。
    • 収録曲の中でも後半に作られた楽曲であり、勤務地に近い恵比寿周辺を散歩している際に浮かんだサビのメロディを元に短期間で制作された。

 

参加ミュージシャン


  • taberusan:Vocal, Acoustic Guitar (#6), Computer Programming (#6)
  • イシワタユウイチ:Guitar (#1, #2, #7, #11, #12), Bass (#1, #2, #7, #11, #12), Computer Programming (#1, #2, #7, #11, #12), Chorus (#12)
  • 島田アキヒロ:Guitar (#3~5, #8~10), Bass (#3~5, #8~10), Computer Programming (#3~5, #8~10), Chorus (#9, #10)

 

外部リンク


関連情報

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